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市場で求められるエンジニアになるためのスキルアップ手法
(2015/11/15)
さて、今回は論理的に組み上げた研究や開発の価値を顧客に伝えるためのプレゼンテーション・スキルについてご紹介したいと思います。
日本の技術者には、「プレゼンテーションは苦手だ」と思っている方が多いと思います。
私も経営コンサルタントという仕事をしていながら、できればプレゼンテーションはしたくないなと思ってしまいます。プレゼンテーションとはある意味自己表現であり、自己表現が苦手なのは日本人の特性かもしれません。
しかし、グローバル・マーケットでのビジネスでは、自社が提供する技術の価値を顧客に伝える能力が低ければ、勝ち抜くことはできません。 私が今までにお会いした米国や韓国、中国等のエンジニアにはプレゼンテーションが上手な人が実に多いです。
なぜなら、彼らはプレゼンテーション・スキルの徹底したトレーニングを受けているからです。日本人技術者も、プレゼンテーション・スキルを学ぶことで、誰でもうまくプレゼンテーションができるようになります。
とは言っても、日本人技術者にはプレゼンテーションが苦手な人が多いのが現実です。なぜでしょうか?
私は、その大きな原因は次の3つだと思います。
1.十分な準備をしないでプレゼンテーションに挑む
2.聞き手が誰かを意識していない
3.プレゼンテーションの基本的スキルを知らない
技術者の方は研究や開発には当然多くの時間を投入し、非常に熱心に取り組みます。
しかし、その成果を発表するプレゼンテーションのためには余りにも時間を使わないような気がします。
技術者の価値は技術のクオリティの高さで決まることは間違いありませんが、その価値を顧客に伝えることができなければ市場に出ることができないのです。研究や開発に投入する時間や情熱と比べれば、本当に微々たる時間と情熱をプレゼンテーションの準備に注ぐだけで、プレゼンテーションのレベルは一気に上がるに違いありません。
そのためには、技術者がプレゼンテーションの重要性に気付くことです。重要性に気付けば、問題点が発見され、その対応策が考えられるように自然となります。
さて、プレゼンテーションの重要性に気付いて準備をしようとする技術者の方が次に陥るのが、聞き手のことを考えていないという間違いです。
以前こういうことがありました。
新情報システムの概要についてのクライアントへの報告会の時、プレゼンテーションするSEの方に、「会議へのクライアント側の参加者は誰ですか?」と聞くと、「さぁ、誰が来るのかな?営業に聞いてみないと分からないな」という返事だったことがありました。聞き手によって知りたいことのポイントは違ってくるはずなので、プレゼンテーションする場合は、常に誰が聞き手であるのか、だれがキーマンであるのかを考えるべきだと思うのですが、そういったところに無頓着な方が技術者には多いような気がします。 プレゼンテーションの相手が同じ技術者の場合には、これはそれほど問題にならないのですが、相手が経営層や営業部門等で技術的知識や問題意識の在り処が違う場合には大きな問題になります。そして、技術の変化が速く、複雑化している現代においては、技術者が、直接、経営層や営業部門等にプレゼンテーションすることがますます重要になってきているのです。
聞き手は誰かを意識してプレゼンテーションの準備をしっかりとしてもプレゼンテーションがうまくいかないとすれば、準備のやり方が間違っているということです。つまり、プレゼンテーションをうまく進めるための基本的スキルを知らないで準備しているということです。
生み出した技術的価値を顧客にプレゼンテーションして伝えることの重要性に気付いた技術者が、プレゼンテーションの基本スキルを理解して、しっかりと準備してプレゼンテーションに挑めば、必ず顧客を納得させるプレゼンテーションができるようになるのです。
では、次回からは基本的プレゼンテーション・スキルについて書きたいと思います。
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コラムニストのご紹介
髙橋秀綱氏
(戦略コンサルタント)
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