平成28年6月 最新人材市場動向レポート「ヒューマンタッチ総研Monthly Report」(1/2)

今月のトピックス

大学生の就職率が前年を0.6 ポイント上回る97.3%で過去最高となる

文部科学、厚生労働両省は5 月20 日、今春卒業した大学生の就職率が前年を0.6 ポイント上回る97.3%となり、調査開始以来、過去最高になったと発表した。高校生の就職率も前年を0.2 ポイント上回る97.7%で6 年連続の上昇となった。

*ここでの就職率とは、就職を希望した人数に占める就職決定者の割合を指す(大学生は4 月1 日時点、高校生は3 月末日時点)

景気動向以外に、人材の高齢化が新卒就職率上昇の構造的な要因になると考えられる

このように新卒就職率が上昇する要因のひとつとしては景気の動向が考えられる。図表1にあるように、新卒の就職率と経済成長率(実質GDP 伸び率)の関連性を見ると、両者は基本的に正の相関関係にありそうである。

*このグラフでは、2016 年3 月卒業に対しては2015 年のGDP 成長率といったように就職活動を実際におこなう年のGDP 成長率を対応させている

2007 年のGDP 成長率は2.19%と高レベルにあり、その翌年の2008 年3 月の大学生の新卒就職率は96.9%に上昇したが、2008 年のリーマンショックにより2009 年のGDP 成長率は▲5.53%にまで落ち込み、2010 年3 月卒業の就職率は一気に91.8%にまで低下している。

しかし、2014 年は▲0.03%のマイナス成長に陥ったにもかかわらず、2015 年3 月の大学の新卒就職率は前年より2.3ポイントも上昇して96.7%になっている。

このように景気後退局面でも企業の新卒採用が活発化している背景には、少子高齢化の流れの中で企業の人材構成が高齢化していることがあると考えられる。製造業の年齢階級別の就業者の割合を比較すると、34 歳以下の割合は1997年には32%であったが、2015 年には26%にまで低下している(労働力調査より)。

このような若手人材の不足を解消しようという動きが新卒就職率上昇の構造的要因としてあると考えられ、景気が大きな落ち込みなく堅調に推移すれば、各企業による新卒採用、若手のキャリア採用は活発な状況が続きそうである。

<図表1 大学新卒就職率・高校新卒就職率・実質GDP 成長率の推移>

表:大学新卒就職率・高校新卒就職率・実質GDP 成長率の推移

出典:厚生労働省、文部科学省「大学等卒業者及び高校卒業者の就職状況調査」、内閣府「国民経済計算」より作成


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