生活困窮者自立支援に関する就労支援業務の受託

Case10

近年、生活保護費の増加が日本国における大きな課題の一つとなっており、2013年には、厚生労働省により生活保護世帯が過去最多を更新された事も発表された。このような状況下において、2015年4月から生活困窮者に対し生活保護に至る前の段階での自立支援策を強化するために『生活困窮者自立支援法』が施行。それに伴い、各自治体が『生活困窮者自立支援制度』という統一化されたルールの中でこの問題に取り組んでいく事となった。


制度内における支援事業の多くが民間団体へ委託可能であり、民間の感覚を取り入れる事により早期に支援対象者の就労に繋げられるのではないか、という行政側の期待が伺える。ヒューマンタッチでは『生活困窮者自立支援』について先進的な取組みを実施している、とある自治体の就労支援業務を受託運営し、大きな成果を上げているという。


その取組み内容と成功の要因について、PSS事業推進室室長の佐々木大輔に話を聞いてみた。

実績が評価されての受託決定。生活困窮者向けの就労支援を担う。

PSS事業推進室 室長 佐々木大輔今年度から施行された「生活困窮者自立支援法」に伴い、この分野における就労支援に関する取組みが注目を集める中で、ヒューマンタッチはどのような経緯で業務受託に至ったのか?


「この自治体は、『生活困窮者自立支援法』が施行される以前からこの分野におけるモデル事業を行っておりましたが、当法令が施行される今年度より本格的に外部委託を始めました。


自立相談支援事業の体制は、大きく分けると『主任相談支援員』『相談支援員』『就労支援員』と三つに分けられるのですが、そのうち『就労支援員』の分野に特化して、業務を受託することとなりました。」


ヒューマンタッチが業務受託に至った要因について、佐々木はこう分析する。


「この分野における先進的な取り組みを実施している自治体ですので、事業の効果を最大限高めるため、就労支援を強化したいという考えがあったようです。このニーズに対し、ヒューマンタッチはこれまで『若年者』『主婦』『生活保護受給者』など幅広い対象の方々に対して就労支援を行ってきた実績があります。この就労支援に関する実績やノウハウが評価されたのではないかと考えています。」

就労支援に特化しての業務受託、相談者に寄り添った支援業務に取り組む。

「生活困窮者支援に関する自治体の取り組みには3つのパターンがあります。1つめは、相談~就労支援まですべて直営しているパターン、2つめは、当該業務を丸ごと外部委託しているパターン、3つめは、相談と就労支援など切り分けて外部委託しているパターンです。


弊社での受託案件は3つめのパターンに当てはまり、就労支援業務のみを運営しています。相談業務については社会福祉協議会がその役割を担っており、コンプライアンスに配慮し、連携しながら業務にあたっています。」


【自立相談支援事業体制内における、ヒューマンタッチ受託部分】

担当範囲
職種
主な役割
社会福祉協議会
主任相談支援員

〇相談支援業務のマネジメント

  •  ・支援の内容及び進捗状況の確認、助言、指導
  •  ・スーパービジョン(職員の育成)

〇高度な相談支援(支援困難事例への対応等)

〇地域への働きかけ

  •  ・社会資源の開拓・連携
  •  ・地域住民への普及・啓発活動
相談支援員

〇相談支援全般

  •  ・アセスメント、プランの作成、支援調整会議の開催等一連の相談支援プロセスの実施、記録の管理、訪問支援等(アウトリーチ)

〇個別的・継続的・包括的な支援の実施

〇社会資源その他の情報の活用と連携

ヒューマンタッチ
就労支援員

〇就労意欲の喚起を含む福祉面での支援

〇担当者制によるハローワークへの同行訪問

〇キャリア・コンサルティング

〇履歴書の作成指導

〇面接対策

〇個別求人開拓

〇就労後のフォローアップ 等

ヒューマンタッチでは、具体的にどのような業務を担っているのか?


「生活困窮により自治体へ相談に訪れた方のうち、自治体が支援する事で生活を自立できると判断された方を対象に、弊社の支援相談員による現状のヒアリング、キャリアコンサルティング、履歴書添削、面接指導、各種同行、就労意欲向上の支援など、相談者の生活の自立を目指した就労支援業務をおこなっています。


また、住居を喪失する恐れのある方に対して、住居確保給付制度の利用決定後の給付条件活動(※)の管理や相談対応(支援相談員・ハローワークへの面談や応募・面接活動等)も行っています。」


(※)給付条件活動の内容:月内での支援相談員面談4回、ハローワークでの職業相談2回、原則毎週1回の応募又は面接

生活資金の確保を第一に考えてマッチング。
これまでの就労支援に関するノウハウを生かす。

生活困窮者に対する就労支援においては、さまざまな事情を抱えた相談者への対応を行わなければならない。ここに、ヒューマンタッチがこれまでに培ってきた就労支援に関するノウハウが生かされていると佐々木は語る。


「相談に来られる方々は『未就労』『ひきこもり』『経済的困窮』『居宅喪失』『家庭の問題』『DV』『健康の問題』など、様々なご事情を抱えていらっしゃいます。そのため、個々人のお話をしっかりとヒアリングし、それぞれのご事情に合わせた対応を行っております。」


こうして相談に来られた方々の事情や状況をヒアリングした後にキャリアカウンセラーによる求人の紹介を行うのだが、ここで最も重要なことは『求人のマッチング』であると佐々木は語る。


「様々なご事情から、就労をされておらず預貯金もない等『ご収入が途絶えたことで生活が困窮となった』相談者の方々が非常に多く訪れます。そんな中、求人のマッチングにおいては、『相談者の方の生活資金の確保』を第一に考えております。すぐに生活資金を得られるよう、日払い、週払い求人のご紹介や即日の面接対応、企業側とも交渉も含め、これにあたっています。」


相談者の方の生活資金の確保を第一に考えてマッチングを実施しているとのことだが、実際のマッチングの現場はどのように対応しているのか聞いてみた。


「ご相談に来られた方の中には『預金は数千円、家賃や税金の滞納があり、携帯もとめられ就職活動も行う事ができない。』というような方もいらっしゃいました。お話を伺うと、数日食事もとっておらず即収入を得られるお仕事をご希望しておりました。


緊急性が高いと判断をしましたので、即日日払い対応が可能な企業との連絡を取り、面接設定を実施。翌日には企業への面接同行を行いました。その後は、就業条件の確認・調整を行い、翌日には就労決定。相談から数日での就労開始となりました。

しかしこれは緊急的な対応であり、あくまでもご相談者の方の安定就労につながる仕事のご紹介を行えるよう取り組んでいます。その為にも地域の企業と信頼関係を構築し、ネットワークを築いていきたいと思います。」


様々な方々にマッチした求人をスピーディーに紹介するため、様々な条件の求人を日々開拓し準備しているという。このような創意工夫を重ねた、ひとつひとつの取り組みが、この自治体における就労実績の向上につながり、好評をいただいているようだ。


生活保護に至る前の自立支援・就労支援は、今後もますます重要に。事業の認知向上にも取り組んでいく。

昨年度の年間相談者数に対し、今年度は既に3倍以上の方が相談に訪れているとの事で、今後の就労支援においても早期就労に向けたスピード感のある支援が求められる。


PSS事業推進室 室長 佐々木大輔 「現段階においても、相談者の人数は大幅に増加している状況です。この制度の認知が向上した事もあるかと思いますが、ネットカフェ難民やホームレス化など若年者の困窮化も社会背景にあるのではないかと考えております。


それでも、事業開始初年度ということもあり世間の認知はまだまだ低く『現在の相談者数はまだ氷山の一角である』と認識しております。


セーフティーネットとしての事業の重要性を踏まえ
『今後いかにこの事業の認知向上を図るか』を自治体の担当者の方々と協議し、取り組んでまいります。」


本当に支援を必要としている方々に、どのようにすれば相談に来ていただけるか、今後もヒューマンタッチは、この事業に真摯に取り組んでいく。


※この記事は2015年9月に作成されたものであり、掲載当時での情報をもとに書かれております。
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